筋膜の癒着や拘縮による痛みを改善する
同じ姿勢で長時間作業をしているときに、柔軟性を失った筋膜の血流が不足し,筋膜同士が癒着を起こしやすくなると、痛みやしびれが生じます。
痛みは神経が障害されたときに生じるものだと考えられていましたが、痛みや しびれの原因が筋膜の癒着によっても生じるということがわかってきました。
ハリを筋膜まで通して、その様子を超音波検査機(エコー)を使って観察すると、ハリが筋膜を通ったときに,筋膜の癒着部を引き離すことがわかります。腰や肩の痛み、首の痛み、腕やわき腹の痛みを癒着した筋膜に対する治療によって改善させることができます。
ポリモーダル侵害受容器に対するハリ治療
痛みの感覚は、皮膚で感じるだけでなく皮下組織、筋肉の腱や靭帯、骨膜、筋膜、神経を覆う膜、椎間板など、体のさまざまな部分、粘膜や腸、膀胱の中でも感じます。
痛みを感知するのは「侵害受容器」と呼ばれ、「侵害受容器」は組織が傷つけられた場合に反応します。組織が傷つけられたりして痛みを感じると、「侵害受容器」が脳や脊髄に痛みを伝えます。侵害受容器は機械的な刺激、化学的な刺激、熱の刺激など多くの痛みなどの刺激に広く反応します。これがポリモーダル侵害受容器です。
ポリモーダル侵害受容器に対してハリ治療をすると血流が改善され、痛みの感覚が治まってきます。
治療改善例
腰部脊柱管狭窄症 男性90歳代
医師より「腰部脊柱管狭窄症」と診断され、下部腰椎に前弯が認められました。
治療
・刺鍼パルス治療をする。
・灸治療(灸点紙使用)
・背部への前揉捻
治療経過
3か月後に間欠性跛行の回数が減少する。6か月後には間欠性跛行の症状が治まり、同時に下肢のしびれがなくなりました。
治療当初は週3回治療をしておりましたが、現在、月1回の治療を継続しています。
痛みのために正座ができない 60歳代男性
治療
・ハリ治療、刺鍼したハリに低周波のパ ルスを流す。
間接灸による治療。
治療経過
週1回の治療を継続して、3か月を過ぎたころから膝関節の可動域が広がり正座が可能になりました。
脊柱のS字湾曲 70歳代 男性
脊柱の上部は右に、腰部は左に中心よりそれぞれ5mm左右に湾曲がみられた。患者さんは糖尿病、高血圧の症状により投薬を受けている。
治療経過
脊柱を支える筋肉に緊張が認められたので、ハリ治療によって筋肉の緊張を緩めました。歩行時の姿勢、すり足歩行の改善に取り組み、歩行時の重心移動が速やかにできるようになり、脊柱のS字湾曲は改善されています。
鍼灸の効果が認められる症状
変形性膝関節症、痛風、神経痛、腱鞘炎、腰痛、冷え性、咽頭炎、眼精疲労、リウマチ、頸頚腕症候群などに効果認められています。